top of page

CALL the ARK

- 別の時空(次元),
アグラスフィアと呼ばれる世界(惑星)。
:Aglassphere(Aglaia's Sacred Sphere).

アグラスフィアはAglaiaの祝福によりバランスを保たれた世界だった。
しかしある日、アグラスフィアは突如としてそのバランスを失い、世界はバラバラに分断された。

この世界の誰もが何故こんな事が起こったのか知る由も無かったが、分断された各地域の王達はアグラスフィアを再結合すべく行動を起こす事を決めた。

アグラスフィアの再結合を実現すべく、先ずは分断された地域同士の接続を試す事にする。

- アークシステム
唯一、地域と地域を接続可能な方法と言われている。
各地域に遺跡として存在するこのシステムは、古代科学書によると古代世界に於いて交通手段として使われていたらしい。
ある地点からある地点へ人や物を瞬時に転移する、俗に言うテレポートの様なシステムであり、Aglaiaの祝福を動力として稼働していたようだ。

このシステムがまだ使用可能かどうか定かでは無いが、このシステムが今起こっている混沌を唯一解決出来る可能性を秘めていた。

- 言い伝え
この世界には5節からなる1つの古い言い伝えがある。
< Call the Ark >
1.想像も出来ない様な混沌が訪れる刻、私の神Aglaiaは彼女の船を呼び起こす
2.船は私をそこへ運ぶ。船は彼らをそこへ運ぶ
3.●▲▲▲■×◆◆×××●▲●▲■■■■■■
4.世界は産まれ、世界は再生する
5.再生が私の上を回る。再々生が私の上を回る

検索

光流湛えしアルマネスク - EP2.決断 -

不思議に思っていた事がある。

でも、この世界に大分裂が起こって少し、その謎が解けた気がした。


この世界に生きる人類を含む生物、特に知的生命体には根源的な共通性が

全くと言っていい程無い事が多い。


一般的な人類、また、その人類に類似する亜人種、光・影・火・風等の自然現象を

根源とする粒子が結合した生命体、鉱物生命体、他にも多種多様な生命体が

各地域にそれぞれの文明を築いていた。


これだけバラバラな文明文化がそれぞれ異なる発展を遂げているにも関わらず、

アグラスフィアでは基本的に戦争が起こっていない。


主な理由として、古来より全ての地域は生きる為に協力し合わなければならないと、

各地域を代表する者が集まり大協定を結んでいる事にある。


とは言え、一般的に考えれば何れかの国が覇権主義に走る事も容易に想像出来る。

現に、どの国もそれぞれが軍を保有し、日々、軍拡を行っている。

にも拘らず、そんな事は歴史上一度たりとも起こっていないのだ。


簡単に起こりそうなものが起こらない。

それはつまり、それをする事が出来ない理由が存在すると考えるのが自然だろう。


大協定だけではなく、物理的に一つの地域だけではその文明を維持する事が出来ない

『何か』がある。

現在に至ってもその協定が守られているとなると、一般庶民では知り得ない『何か』が

王族等のごく限られた権力者にのみ言い伝えられている可能性が高い。


その内容は一般庶民では知り得る事は出来ないが、一つだけ引っかかる事があった。

このアグラスフィアでは、根源的共通性が無い種族同士でも異文化交流について

一切の障壁が無い。


共通性・連動性の無い文明同士が何の問題も無く連携する事を可能にしているのが

アークテクノロジーだ。


アークテクノロジーとは、アグラスフィアの惑星環境を維持する為の

テクノロジーの総称だ。


アグラスフィアの中核「大聖域」から迸るアークエネルギーを応用する事で言語の全翻訳、各文明同士の補完を可能としている。

因みに、アークエネルギーはアグラスフィアの惑星活動の為のコアエネルギーと

考えられている。


また、このエネルギーは古代文明にて使用されていた地域間移送交通システム、

通称アークシステムにも使用されていた事が幾つかの文献から明らかになっている。


異なる地域・文明を結びつける時、常にアークテクノロジーが関係している。


つまり、結合を可能にするアークシステムこそがこの大分裂を解決するヒントと

成り得るんじゃないかと考えていた。


リトは局員の話を聞いた瞬間、筆舌し難い興奮を覚えた。

まるで、自分の仮説が正しかった事を立証されていく様に感じたからだ。


そんなリトの横顔をリリアは不安そうに見詰めていた。

局員の話を聞いたリトの表情から何かを察したのだろう。


「本日夕刻まで応接の間にて待つ。有志がいない場合は当局にて検討の上、

 一人指名させてもらう。以上だ。」


局員は端的に宣言すると、講義堂を出て行った。

局員が出て行くと残った研究員達は一斉に誰が行くべきか、

罵声を含めた言い合いを始めた。


それもその筈だ。局員の口から危険を伴うと言う言葉が出た事と、

局員自らこのカセラスへ出向いた事を考慮すれば

生きて帰って来られる保証が無いという事に他ならない。


「一番優秀な人間が行くべきなんじゃないのか!?国家存亡に関わる重大任務だぞ!」

「一番優秀な人間こそ残って研究を続けるべきだろう!もし何かあったら

 それこそ大きな損失だ!」

「じゃあ優秀じゃない人間は死んでも良いっていうのか!?そんな考え方は

 間違ってるだろ!」

「この国の未来に与えるリスクを考えれば、どっちが正しい選択かなんて

 直ぐに分かるだろ!」

「ふざけるなコノヤロウ!」


研究員達の言い争いは加熱の一途を辿っていた。

直ぐにでも取っ組み合いの喧嘩になる事は火を見るよりも明らかだった。


「いやだよ。」

「え?」

「分かってるんだから...考えてる事。見れば分かるよ。でもダメ。絶対にダメ!

 リトが危ない事する必要なんてどこにも無いんだから...」


講義堂の喧騒の中、リリアの表情はさっきよりも不安が色濃く広がっていた。


「ごめん。でもこれはチャンスなんだよ。今まで研究してきたテーマの成果と現実が

 一つに繋がるかも知れないんだ。それは一研究員として無視出来ない事だし、

 リリアだって同じ研究員なんだから分かるだろ?」

「分かるよ。。でも危ない思いをしなくちゃいけないなんてやっぱりおかしいよ!

 何か他のやり方で成果に結び付く何かを見付けられるかも知れないし、

 絶対に今じゃなきゃダメ何てことないじゃない!

 それに危険な任務なら先ず最初におばさまにちゃんと相談すべきでしょ?

 何も相談しないでリトが勝手に一人で決めていい話じゃない!」

「母さんには後でちゃんと話すよ。これは自分自身の事なんだし。もう子供じゃないんだ。 自分の事は自分で決める。」


必死に翻意させようとリリアの説得が続く。しかし、リトの決意が固い事は

リリアが一番分かっていた。


「分かった。どうしても行くって言うなら私も行く!」

「はぁ!?さっき局員が危険だって言ってただろ!それに必要なのは一人だけって

 話だし!」

「そんなの関係ない!人数に関しては私が直接局員に掛け合うから!」

「そんなのダメだ!」

「ダメじゃない!」


一度決めたら絶対に折れない性格はリトのそれよりも遥かに強い。

リリアを危険な目に遭わせる事は出来ないけど、このチャンスを誰か他の研究員に

取られる事は絶対にいやだ。

そんな葛藤を脳内でしつつも、リリアの決意に半ば諦めている自分がいた。


- 一度決めたら絶対に曲げないからな。。。いやしかし。。


「私、局員に話してくる!」

「ちょっ。。ちょっと待て!俺も行くって!」


流石の行動力である。リトが何とか説得出来ないか試みる前に、

リリアは話の決着をつけてしまった。


いつもより早い足取りで講義堂から出て行くリリアを追いかけるリト。

その光景はいつもと変わらなかった。


最新記事

すべて表示

光流湛えしアルマネスク - EP6.遭遇 -

地面に放り出された三人は身体に受けた衝撃波と打撲に顔を歪ませる。 「二人とも大丈夫か!?」 「…ああ、何とかな。。」 「。。こっちも平気よ。」 お互いの無事を確認しながら、三人は状況を確認しようと身体を起こした。 さっきまであったリトの家が跡形も無く吹き飛んでいる。 後数秒遅ければラズとリトもただじゃ済まなかっただろう。 「。。何が起きたんだ?」 ラズは燃え盛る爆発地点に目をやりながら思考を巡らせ

光流湛えしアルマネスク - EP5.惨禍 -

「生存者が居たぞ!誰かこっちに来てくれ!」 「ダメだ!火の回りが早い!救助した負傷者を先に被害を免れた病院へ 連れて行ってくれ!」 「お願い!まだ4歳の子供なの!この子だけでも助けて!」 「救援部隊ははまだか!間に合わなくなるぞ!」 「ママー!ママー!起きてよママー!」 カセラスからトナン村へ続く村道。見慣れた道の上に見慣れない瓦礫の山が 一面に転がっている。 そこら中から黒い煙と炎が上がり、焼け

光流湛えしアルマネスク - EP4.それぞれの戦いへ -

「これがそうなのか。」 「はい。その通りでございます。」 「被害の状況はどうなっている?」 「確認次第、ご報告致します。」 青白い光が自分の国に降り注ぐ光景を、謁見の間にあるベランダから オルルドと数名の大幹部と共にリヒトは険しい表情で見詰めていた。 王国南部に正体不明の軍団が進軍している報告を受けてから間も無く、 青白い光は王国の平穏を一瞬で奪い去った。 王国中央区にも同じく青白い光が落ちて来た

― 飛空調査艇フライングフィッシュ
  書記係AnkE

  • ツイッター - ホワイト丸
bottom of page